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感想:『種の起源』

とうとう読みました『種の起源』。

まさか遺伝子という概念も、もちろんDNAも知らないダーウィンが、ここまで高度な議論に到達できていたとは思わなかった。自然選択や生存競争、ニッチの分化など基本的なことから、基本ニッチと実現ニッチ、別々の形質が必ず同時に現れる法則(同じ遺伝子が関わっている)、生物学的種概念の原型など、大学レベルかそれ以上のことまで、詳細な観察と実験を元に記述している。「西洋哲学とはプラトンへの膨大な注釈である」と言った哲学者がいたそうだが、現在のマクロ系生物学もダーウィンへの膨大な注釈と言えるかもしれない。

とはいえ、日本では割りとすんなり受け入れられている進化論も、アメリカなどでは依然として反対する勢力がある。解説で、日本のアニミズム的な文化が、人間は特別な存在ではなく他の生物と同様に進化してきたという思想を受け入れる土壌を作ったと解説に書かれていたのが興味深い。

他の進化を扱った読み物を読むと、ダーウィン以後どんな風に「ダーウィンへの注釈」が増やされていったか分かって面白い。

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